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❿ GoogleとAcrobatで最低限のDXは充分!

令和3年は、DX(デジタルトランスフォーメーション)元年となることは間違いありません。この15年間に3度目の元年ですが・・・

しかしながら、大企業やIT関連企業はともかく、飲食、物販、サービスの中小・零細企業にとって、

「DXっていうけど、実際何をすれば、どういう得があるの?」

という問いに、真正面から応える議論は、見かけられません。そこで、私の考える、「小さい会社に本当に必要なDXとは何か?」について、整理してみたいと思います。会社にとって、「顧客との関係のマネージメント」(CRM)と、「法務・税務・経理などのインフラマネージメント」の2つの側面から、現状とあるべきDXを考えます。

 

小さい会社の生産性の低さの原因  

この図は、2つのマネージメントについて、多くの小さい企業の現状を模式図にしたものです。

顧客関係マネージメント(CRM)においては、

  • ターゲット顧客や見込客に対するマーケティングの手法が、一方通行のチラシやポップや媒体への広告出稿が、大半を占めます。
  • またWebサイトもあるのですが、顧客のアクセスやクリックなどを分析してはいません。

その結果、提供している商品・サービスに対する顧客の反応(評価)が分からず、本当のニーズに対してマッチングすることができません。

法務・税務・経理などのインフラマネージメントにおいては、

  • 他企業との契約、行政機関への届出や申請、行政機関からの通知、労務、経理など全てのデータ管理、情報管理が紙ベースです。
  • 紙ベースのデータを新規に作成したり更新したりするのに、多くの時間と労力をかけています。
  • 税務、労務、経理は、基本的に税理士任せです。

その結果、膨大な紙の山に埋もれ、必要な時に必要な情報が見つかりません。マネージメントに時間と労力と費用を掛けている割には、生産性が上がりません。経理や税務を人任せにしているので、経営者の経営感覚が磨かれません。

こうした、課題を抱えているといってよいでしょう。これらをDX化すると、何が、どのように変わるのでしょうか?

 

DXで生産性が上がる理由  

小さい会社に必要なDXとは、上に列挙したような課題を解決することを、目的としたものでなければなりません。課題の洗い出しと、課題の解決を目的としたDXでなければ、意味がないのです。

そして、それは会社にコスト面で大きな負担になったり、実際に経営者が使いこなせないものであってはならないのです。

そんなDXがあるのでしょうか?

はい。あります。簡単です。

「デジタル化された顧客関係マネージメント・システム」と「税務・労務・経理のデジタルインフラ」とAdobe Acrobatがあれば充分です。

「デジタル化された顧客関係マネージメント・システム」とは、早い話が、Googleです。無料のGoogleのサービスをベースに、WorkspaceGoogle広告2つの有料サービスを付け加えたものです(正確にいうと、Google Workspaceは無料のGoogleサービスを全て含んでいます)。

どのツールをどのように組合せて、どのように運用するかは、「創業10のステップ深掘り編 Google WorkspaceとAcrobatでDXは充分」をご覧ください。

ここでは、効果について簡単に説明します。

顧客関係マネージメント(CRM)においては、

  • ターゲット顧客に関するあらゆる情報、個人情報、属性、潜在的ニーズ、ニーズを具体的に満たすプロセスの位置、商品・サービスに対する評価と忠誠度、SNSによる拡散・・・が、Webサイトへのアクセスデータを中心に、データベース化されます。
  • それによって顧客をクラスターに分割し、各クラスタ—ごとのコンテンツ戦略を立てることができます。
  • 顧客の「ニーズを具体的に満たすプロセスの位置」に対応した、見込顧客に対する教育や営業が可能になります。

その結果、Webサイトのコンバージョン率(潜在客が見込客に成る率)、商品・サービスの購入率、購入単価、他の顧客への影響度が増加し、会社の利益率が向上します。

法務・税務・経理などのインフラマネージメントにおいては、

  • 契約、労務、行政からの通知、業界情報など、これまで紙媒体だったものが全てPDF化し、ドキュメントデーターベースが構築され、情報の検索や整理が各段に容易くなり、また室内のスペースも拡がります。
  • 税務、労務、経理に関する届出、申請、申告、納付、計算が全てデジタル化されます。それによって時間と労力が短縮され、税理士が不要になります。
  • 経営者は、外部の経営環境(トレンド、政府の政策など)に関する情報に明るくなり、自社の経営状況の変化に敏感になります。

リスクを最小化し、可能性を最大化する資源配分が可能になります。

その結果、必要な時に必要な情報を得て、リスクを最小化し、可能性を最大化する資源配分や経営判断が可能になります。労働生産性、投資効率が大きく向上します。

顧客関係マネージメントとは、経営学の用語でCRM(Customer Relationship Management)といって、Hubspotというアメリカの会社から、日本語版になったすぐれたソフトも販売されています。会社が成長して、従業員も10数人になり、売上も何千万になったら、導入する価値があると思います。

しかし、創業間もない小さな会社には、GoogleとAcrobatさえあれば、充分です。

前の9章で、デジタル化の整理の仕方として、「アカウントとパスワードのクラスター化」の話をしましたが、もちろんDXに通じるところ大です。私としては、「アカウントとパスワードのクラスター化」やGoogleとAcrobatといった、「泥臭いDXの進め方」を今後も研究し、皆さまに分かりやすく推奨していきたいと考えています。

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以上で、「1人で始める創業に失敗しない10のステップ 総合編」は終わりました。長文の読解お疲れ様でした。これを読んで、さらに「小さく始める、デジタルに始める」創業に興味を持たれた方は、この姉妹編の「「1人で始める創業に失敗しない10のステップ 深掘り編」にお進みください。こちらは、実践段階です。法人設立登記の電子申請や、税と社会保険の電子申告と納付の仕方などについて、ソフトウエアの操作方法を詳しく説明した、「Stepガイド シリーズ」も付属しています。

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